[膀胱炎の症状]
[腎盂腎炎と膀胱炎]
[膀胱炎の診断]
[膀胱炎の治療]
[膀胱炎の予防]
排尿の時に痛む、尿の回数がふえる、尿がにごったり、赤くなったりする。尿が残っている感じがする。尿意を感じてもトイレに間に合わない
このような症状は「急性膀胱炎」の症状です。
診断は「検尿と問診」で行います。
内診は必要ありません。
治療はばい菌を殺すお薬(抗生物質)をのんでいただきます。
通常3日以内になおるとされています。
時間をかければ自然治癒はありますが売薬では治りません。
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[症状]
急性膀胱炎の3大症状は、排尿時の痛み、おしっこの回数がふえる頻尿、尿の混濁といわれています。
加えて、排尿後も尿が残っているようでスッキリしない(残尿感)感じがあったり、時には血尿が出ることもあります。
通常の尿はわらび色(やや黄色)透明です。膀胱炎になると膿尿といって膿で尿が白く濁ったり、血液成分で赤くなったりします。
一般的な膀胱炎の症状は、上のとおりです。しかし、時には切迫性尿失禁という症状を起こすことも珍しくありません。
これは、尿意を感じてもトイレに間に合わない、あるいはトイレに何とか間に合っても、ドアを占めたとたん、下着を下ろしている間に漏れてしまうといった症状です。
本来ならば、排尿の準備が整って脳から指令が出て初めて膀胱が収縮して尿が出るのですが、切迫性尿失禁の場合は、脳の指令に関係なく勝手に膀胱が収縮して、尿が出てしまうのです。
これも、女性には辛い症状です。炎症などによって膀胱が過敏になることも、切迫性尿失禁の原因のひとつと言われています。
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腎盂腎炎と膀胱炎
尿管の機能(尿を膀胱に送り、膀胱から逆流しない機能)が正常な限り膀胱炎は膀胱炎で終わりますが、尿管膀胱逆流現象や結石など通過障害があると細菌が膀胱から尿管を伝わって上にあがり、腎盂腎炎を起こすことがあります。
膀胱炎では熱は出ませんが、腎盂腎炎になると38度以上の熱が出て、腰痛や背中の痛みが起こるのが大きな特徴です。腎盂腎炎は、炎症が腎臓の実質および血液の中にまで及んでいるので、膀胱炎より症状は重いといえます。
こちらも抗生物質などの薬にて治療しますが、原因の精密検査が必要です。
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[診断]
症状と検尿のみで行います。
心配される内診などは必要ありません。
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[治療]
膀胱炎には、細菌を殺す抗生物質が使われます。早い人は薬を飲んで1日、ふつう2〜3日で痛みやトイレが近いといった症状はよくなります。
抗菌剤の多くは腎臓から体外に排泄されますので、膀胱はその途中にありますので薬が非常に効きやすい病気といえます。
自然治癒はありますが漢方薬などの売薬では直りません。
ただ、症状はよくなっても細菌が生き残っていることがあるので、薬を中止すると急性膀胱炎を繰り返すことがあります。治ったことを検尿にて確認してください。
膀胱炎にかかっているときは、水分をたっぷりとります。どんどん尿をだして、細菌を一緒に排出するためです。膀胱内に長時間尿がたまっていると、細菌が増殖しやすくなりますので、膀胱内に尿を長時間ためないようにしてください。
アルコール類は避けて下さい。入浴は問題ありません。とくに安静にする必要はなくスポーツや仕事もとくに制限はありません。
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[予防]
なんらかの理由で尿が膀胱に残るため膀胱炎になりやすい人がたしかにいらっしゃるようです。
潜在性神経因性膀胱といわれるようなものがあるのかもしれません。
尿が膀胱に残れば、細菌にとって尿は非常に住み心地のよい場所ですので次々に増えていき、膀胱炎を引き起こします。
ふだんから尿をたくさん出すことは、菌を洗い流して膀胱炎を予防するためにも大切な心掛けです。一日1.5リットルぐらいの水分を補給するのを目安にしましょう。
トイレに行きたくなったら、できるだけ我慢しないようにしましょう。それが、膀胱での雑菌の繁殖を防ぐことになるのです。
風邪をひいたり、過労、睡眠不足などがあると膀胱炎を起こしやすくなります。適度の休養を常に心がけましょう。
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かんざき泌尿器科