夜尿症
以前は“修学旅行に行けないから”と6年生頃受診されることが多かった夜尿症ですが、最近では小学校入学が目標のようです。通常は排尿習慣の完成までに差があるだけで、99%は思春期までに消失しますが「日本夜尿症学会」のガイドラインによれば、治療の対象は小学校入学以後とするのが一般的です
夜尿症の診断
夜尿症の診断とは夜尿症以外の特別な病気ではないことを診断することです。
そのためには詳しくお話を聞くこと(問診)、検尿、夜間尿量の測定、超音波による残尿などの検査が必要です。
日本夜尿症学会のガイドラインの診断手順です。
夜尿症の治療
大きく分けて生活指導,行動療法と薬物療法があります.ここでは通常の夜尿症の治療について説明させていただきますが、原則は 1. 起こさず 2. 怒らず 3.焦らず です。
まず夜尿日誌あるいは排尿記録を継続して記録して,夜尿日数,夜尿量,一晩の夜尿頻度,夜間尿量,尿意覚醒の有無,(昼間)尿失禁頻度,(昼間)尿失禁量,排尿量(最大,平均)などを確認して,これらの状況が改善しているかどうかを客観的に評価することが必要です。
夜尿アラーム療法
夜尿アラームは,古くより根拠のある方法とされています。なぜ効くかについては、夜尿直後にアラーム音で覚醒させるため,尿意覚醒をするようになると考えがちですが,睡眠中の膀胱容量(尿の保持力)を増加させることではないかと推測されています.
ただし最初はお子さんが自分で起きることはまずないのでご両親が起こしてトイレまで連れて行き、おしっこが残っていれば完全に排尿させる必要があります。根気と忍耐、時間がかかり両親とお子さんの両方に最低3ヶ月は続ける意欲がないと挫折します。また最初におねしょアラームを購入する必要があります。
薬物療法
日本で広く行われているのは薬物療法です。これら薬物は種々ありますが,客観的に有効性が証明されているものは,三環系抗うつ剤,抗利尿ホルモン剤のみです.
いずれの薬物でも夜尿の消失をみた場合には,一定期間は同剤,同量の治療を継続し,その後に減量しながら中止するようにします.
三環系抗うつ薬:夜尿症の治療薬として古くより知られている薬です。なぜ効くかについてははっきりしていませんが、尿意覚醒を促進する作用,抗コリン作用,尿量減少作用
などがかんがえられています。
おもな副作用は、口の渇き、眠気、めまい、立ちくらみ、便秘などです。
有効率は,日本では43.1%,海外では50%前後と報告されています。
抗利尿ホルモン剤:尿の出来る量を減らす薬です。そのためこの薬が夜尿症に有効であることは,国内外に多くの報告があり,海外においてはその有効性が立証され、日本においてもその有効性が確認され,夜尿症治療薬(デスモプレシンスプレー10)として認可されています.
すべての人に使えるわけではありませんし、また使用時には厳重な飲水量のコントロールが必要です。
有効性は海外では,
60〜80%とされています.
日本でも患者様の病状しだいでは非常に有効とされています。
副作用としては水中毒が最も重大な合併症で,夕食時を含めた就寝2〜3時間前からの水分摂取の制限が重要です。
その他に抗コリン剤なども用いられることがあります。
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